Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

あずさがわのじょうりゅう

山岳紀行文集 日本アルプス

小島 烏水

Leggi 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) di 小島 烏水 (こじまうすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.795 caratteri · 274 schermate

Aozora Bunko

我々三人は、石の仲間入をしたので、誰も石よりも、権威のあるものだと、信ずるわけにはゆかなかった。

うす日で安心していた間もなく、雨がザッとふり注いで来た、谷の中で雨に降り出されるほど、滅入った気になることはない、ゆうべ槍ヶ岳の峰頭から見た、北の空の燃え抜けるように美しい夕日も、今になって見ると、神棚の火のように影がうすいものであった。私は頭の中まで、ぼんやりと膜が下りたようになった、眼鏡は曇って、一寸先を見透すのさえ大なる努力を要する、外套のおもてには、雨が糸筋を引いていい加減に結び玉を拵えては、急にポロポロと転び落ちる、それが人間よりは、生命のある原子のようにも思える、両側の青木の中から、霧はもやもやと舞い立って、谷が一杯に白くなって、鉛で圧しつけられるようだ。

始めは上流とは思われぬほどに、川幅が濶かったが、谷が次第に蹙まって、水嵩が多くなったので、左の岸の森へ入った、山桜がたった一本、交って、小さい花が白く咲いているのが、先刻の白花の石楠花とふたつ、この谷で忘られないものになった、足許には矢車草の濶い葉や、車百合の赤い