Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
Leggi 山椒大夫・高瀬舟 (ひゃくものがたり) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.466 caratteri · 92 schermate
三人は摂津国屋に泊って、所々を尋ね廻るうちに、路銀が尽きそうになった。そこで宿屋の主人の世話で、九郎右衛門は按摩になり、文吉は淡島の神主になった。按摩になったのは、柔術の心得があるから、按摩の出来ぬ筈はないと云うのであった。淡島の神主と云うのは、神社で神に仕えるものではない。胸に小さい宮を懸けて、それに紅で縫った括猿などを吊り下げ、手に鈴を振って歩く乞食である。
その時九郎右衛門、宇平の二人は文吉に暇を遣ろうとして、こう云った。これまでも我々は只お前と寝食を共にすると云うだけで、給料と云うものも遣らず、名のみ家来にしていたのに、お前は好く辛抱して勤めてくれた。しかしもう日本全国をあらかた遍歴して見たが、敵はなかなか見附からない。この按排では我々が本意を遂げるのは、いつの事か分らない。事によったらこのまま恨を呑んで道路にのたれ死をするかも知れない。お前はこれまで詞で述べられぬ程の親切を尽してくれたのだから、どうもこの上一しょにいてくれとは云い兼ねる。勿論敵の面体を見識らぬ我々は、お前に別れては困るに違ないが、もはや是非に及ばない。只運を天に任せて、名告り合う日を待つより外はない。