Classici giapponesi con furigana
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ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
Leggi 山椒大夫・高瀬舟 (ひゃくものがたり) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.466 caratteri · 92 schermate
りよは九郎右衛門に挨拶して、着換をする余裕はないので、短刀だけを包の中から出した。
九郎右衛門は敵に言った。「そこへ来たのが三右衛門の娘りよだ。三右衛門を殺した事と、自分の国所名前をそこで言え」
敵は顔を挙げてりよを見た。そして云った。「わたしもこれまでだ。本当の事を言います。なる程山本さんに創を附けたのはわたしだが、殺しはしません。勝負事に負けて金に困ったものですから、どうかして金が取りたいと思って、あんなへまな事をしました。わたしは泉州生田郡上野原村の吉兵衛と云うものの伜で、名は虎蔵と云います。酒井様へ小使に住み込む時、勝負事で識合になっていた紀州の亀蔵と云う奴の名を、口から出任せに言ったのです。この外に言うことはありません。どうぞ御存分になすって下さい。」
「好く言った」と九郎右衛門は答えた。そしてりよと文吉とに目ぐわせして虎蔵の縄を解いた。三人が三方からじりじりと詰め寄った。
縄をほどかれて、しょんぼり立っていた虎蔵が、ひょいと物をねらう獣のように体を前屈にしたかと思うと、突然りよに飛び掛かって、押し倒して逃げようとした。
その時りよは一歩下がって、柄を握っていた短刀で、抜打に虎蔵を切った。