Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Leggi 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.441 caratteri · 102 schermate
「ホホ。中途で警察の世話にならんようにナ」
「承知しました」
吾輩はそのまま、威勢よく玄洋日報社を飛出した。
外に出てみると晩秋から初冬にかけて在り勝ちな上天気だ。
福岡市外というから箱崎町はかなり遠い処かと思ったら何の事だ。町続きで十分ぐらいしか電車に乗らないうちに、筥崎(はこざき)神社前という処に着いた。鳥居前に立ってみると左手の二三町向うに火見櫓(ひのみやぐら)が見える。田舎の警察というものは大抵火見櫓の下に在るものだ。事件は警察の直ぐ近くで起ったんだなと気が付いた。
思ったよりも立派な神社なので、思わず神前にシャッポを脱いで一銭を奮発した。今日の探険を成功せしめ給えと祈った。自分でも少々おかしいと思ったが、人間、行詰まると妙な気になるもんだ。俺みたようなインチキ野郎の御祈祷に、見通しの神様が引っかかってくれるか知らん……なぞと考え考え、お宮の北側の狭い横町に出て来た。境内一面の楠(くすのき)の下枝と向い合って、雀の声の喧(やかま)しい藁葺(わらぶき)屋根が軒を並べている。御維新以前からのまんまらしい、陰気なジメジメした横町だ。
……ここいらに違いない……と気が付いて見廻わすとツイ鼻の先に、軒先一面にペンペン草を生やした陰気な空屋があって、閉(た)て切った表の戸口に「売貸家(うりかしや)」