Classici giapponesi con furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Leggi 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.441 caratteri · 102 schermate
そうした事実を物語る厳然たる事実を認めて面喰っている。……どうも驚いた……。
金箔(きんぱく)付の迷探偵が一人出来上った。八幡様の一銭がチット利き過ぎたかな。それとも名探偵のアタマが少々冴え過ぎたかな……と思い思い吾輩は縁日物の中折(なかおれ)を脱いで、東京以来のモジャモジャ頭を掻き廻わした。同時にムウッとする程の頭垢(ふけ)の大群が、天窓の光線に輝やきながら頭の周囲に渦巻いた。
いけないいけない。コンナに逆上(のぼ)せ上っては駄目だ。気を急(せ)かしては駄目だ。一つ頭髪(あたま)でも刈直(かりなお)して、サッパリとしてからモウ一度、ここへ来て考え直してみるかな。
吾輩は表の戸口をソッと開いて横町の通りへ出た。
すぐ隣家(となり)の、新しい理髪屋(とこや)の表の硝子(ガラス)障子を、ガラガラと開いた。
「いらっしゃいまし」
という女みたような優しい声が聞こえた。火鉢の横に腰をかけて、長羅宇(ながらう)の真鍮煙管(きせる)で一服吸っていた、若い親方が、直ぐに立って来た。
吾輩は一瞬間ポカンとなった。トテモ福岡みたいな田舎に居そうにもない歌舞伎の女形(おやま)みたいな色男が、イキナリ吾輩の鼻の先にブラ下がったので……。