Classici giapponesi con furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Leggi 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.441 caratteri · 102 schermate
もしもこの男が、所謂「純粋犯罪」を遣りかねない種類の脳髄の持主で、吾輩に感付かれたと感付くと同時に、今が絶好のチャンスだ……気が付いたら最後、吾輩のグリグリの処あたりをブッツリと遣らないとは限らないだろう。そうなったら羽束友一、生年二十四歳……アアもスウもない運の尽きだろう。中途で警察の世話にならないように……と山羊髯が云ったのは、もしかするとここの事かも知れないぞ……人通りの無い淋しい横町だし、店には誰も居ないのだから……。そう気が付くと同時に吾輩は今一度、念入りにゾッとさせられた。名探偵生命(いのち)がけの冒険とはこの事だと気が付いた。左右のお臀(しり)の下が一面にザラザラと粟立ったような気がした。
……しかし……と思い直しながら、吾輩は咳払いを一つした。若い親方がビックリして剃刀を引っこめた。
男は度胸だ。かよわい女だって荒波に潜って真珠を稼ぐ世の中だ。オマンマに有付(ありつ)くか、付かないかの境い目だ。行くところまで行ってみろ。こっちで気を付けて用心をしていたら、万一の場合でも怪我(けが)ぐらいで済むだろう。況(いわ)んや相手は蔭間(かげま)みたいなヘナヘナ男じゃないか。