Classici giapponesi con furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Leggi 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.441 caratteri · 102 schermate
いつも煙草を買うので新聞記者という事を知っていたのであろう。野次馬に覗かれないように表の板戸を卸(おろ)しかけていた博奕打(ばくちうち)の藤六という宿屋の親仁(おやじ)がヒョコリと頭を下げて通してくれた。こっちも頭を下げながら出会い頭(がしら)に問うた。
「どうしたんですか」
親仁(おやじ)は妙に笑いながら表の戸をピッタリと閉め切った。上り框に腰をかけて声を潜めた。
二階の女は此村(このむら)ヨリ子という別嬪(べっぴん)で二個月前から下宿している。毎日十時頃に起きて、朝湯に這入って、念入りにお化粧をしてから十二時頃飯を食う。それから午後の三時頃になって綺麗に着飾ってどこかへ出かけて、夜の十一時か十二時頃帰って来て、自分で表の入口の締りをして寝るだけが仕事で、宿主の方ではまことに手数がかからない。下宿料もキチンキチンと入れる。今朝はどこかへ奉公のお眼見得(めみえ)に行くのだから早く起してくれと云って寝たが、十時頃まで起きないから、起しに行ってみると、イクラゆすぶっても眼を開けない。どうも様子が怪訝(おか)しいようだから、近所の医者を呼んで来て診(み)てもらったら、睡り薬を服(の)み過ぎているらしい。