Classici giapponesi con furigana
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さざんか
山茶花
佐左木 俊郎
Leggi 山茶花 (さざんか) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5001 caratteri · 10 schermate
殊に今は、疝気を起こしているのだから、爺は、仕事への倦怠と、伜への憂慮との、この二つの間にもだもだしているのである。それで爺は先ず、大きなごつごつの手を両方とも、曲がりかけた腰の上に置いて、浅い霜が溶けてぴしゃぴしゃと湿っている庭を、真直ぐに山茶花の木の下へやって行った。
「おもん。一枝、婆あの位牌さあげて呉ろ。」
爺は、そんなことを言いながら、しばらく山茶花の木の下で、うろうろしていた。
伜の長作は、その時、納屋で稲を扱いでいたのであったが、父親が、おもんが制めるのを肯かずに出て行ったらしい気配なので、世間体などを考え、どうしても引き止めなければならないと思って庭へ出て来た。
「爺つあん。そんな無理なごとしねえで、少し休んだらよがあめんがな?」と長作は、やや語調を強めて言った。
「無理ってほどでもねえげっと……拾わねえうぢに、みんな、雀に喰ってしまうべと思ってや。せっかくとったの……」
「落ち穂ぐれえ喰ったって。――そんより、医者さでも掛かるようになったら、なんぼ損だかわかんねえべちゃ、爺つあんはあ!」
「うむ。それもそうだな、ほんじゃ、おら、今日は、休ませてもらうべかな。