Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おかもといっぺいちょならびにが『たんぼうがしゅ』じょ

岡本一平著並画『探訪画趣』序

夏目 漱石

Leggi 岡本一平著並画『探訪画趣』序 (おかもといっぺいちょならびにが『たんぼうがしゅ』じょ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1641 caratteri · 4 schermate

Aozora Bunko

其時茫然と考えている丈では、眼に映る過去は、映らない時と大差なき位に、貧弱なものであります。あなたの太い線、大きな手、変な顔、すべてあなたに特有な形で描かれた簡単な画は、其時我々に過去は斯んなものだと教えて呉れるのです。過去はこれ程馬鹿気て、愉快で、変てこに滑稽に通過されたのだと教えて呉れるのです。我々は落付いた眼に笑を湛えて又齷齪と先へ進む事が出来ます。あなたの観察に皮肉はありますが、苦々しい所はないのですから。

もう一つあなたの特色を挙げて見ると、普通の画家は画になる所さえ見付ければ、それですぐ筆を執ります。あなたは左右でないようです。あなたの画には必ず解題が付いています。そうして其解題の文章が大変器用で面白く書けています。あるものになると、画よりも文章の方が優っているように思われるのさえあります。あなたは東京の下町で育ったから、斯ういう風に文章が軽く書きこなされるのかも知れませんが、いくら文章を書く腕があっても、画が其腕を抑えて働らかせないような性質のものならそれ迄です。面白い絵説の書ける筈はありません。だから貴方は画題を選ぶ眼で、同時に文章になる画を描いたと云わなければなりません。