Classici giapponesi con furigana
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しまばらしんじゅう
島原心中
菊池 寛
Leggi 島原心中 (しまばらしんじゅう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.293 caratteri · 29 schermate
僕の心持は、その時もう職業的意識でいっぱいになっていて、青年が苦しがっても、最初ほどの同情は湧きませんでした。そればかりでなく、僕は、相手がかなり執拗なので、尋問の方向を急に変えてみました。
『じゃ、それはそれとしておいて、一体どちらが先にやったのか、お前の方か、それとも女の方か』
『あたしが先へ死ぬといいまして、女が先に短刀を喉へ突き刺してから、今度は畳へ突きさして私にくれました』
『うむ、なるほど、それで一体女はどんな風に突いたんだ』
『それは、あの女が、刃の方を上に向けて、喉へ突き刺すと、血がだらりと流れました』
『その短刀を握った手は、右かい左かい』
『右です』
『そうかい。それからどうした』
『それから、私が短刀を受け取って、一突き刺したのですが、苦しくて苦しくて、私は思わず立ち上ったのです』
『それから』
『私は唸ったように思います。それから夢中になってしまいました』
『そうか、夢中になったのか、それであの壁に血がかかっているのは、どうしたのだ』
『私が、苦しまぎれに寄りかかったのです』
『それからどうしたのだ』
『気が付きますと、お主婦が私の持っている短刀をもぎとっていたのです』