Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらし

嵐

島崎 藤村

Leggi 嵐 (あらし) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.007 caratteri · 108 schermate

Aozora Bunko

」

「だれが言った――」

「弥生町の奥さんがいらしった時に、なんでもそんな話だったぜ。」

「知りもしないくせに――」

次郎が私に向かって、こんなふうに強く出たことは、あとにも先にもない。急に私は自分を反省する気にもなったし、言葉の上の争いになってもつまらないと思って、それぎり口をつぐんでしまった。

次郎がぷいと表へ出て行ったあとで、太郎は二階の梯子段を降りて来た。その時、私は太郎をつかまえて、

「お前はあんまりおとなし過ぎるんだ。お前が一番のにいさんじゃないか。次郎ちゃんに言って聞かせるのも、お前の役じゃないか。」

太郎はこの側杖をくうと、持ち前のように口をとがらしたぎり、物も言わないで引き下がってしまった。そういう場合に、私のところへ来て太郎を弁護するのは、いつでも婆やだった。

しかし、私は子供をしかって置いては、いつでもあとで悔いた。自分ながら、自分の声とも思えないような声の出るにあきれた。私はひとりでくちびるをかんで、仕事もろくろく手につかない。片親の悲しさには、私は子供をしかる父であるばかりでなく、そこへ提げに出る母をも兼ねなければならなかった。