Classici giapponesi con furigana
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あらし
嵐
島崎 藤村
Leggi 嵐 (あらし) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.007 caratteri · 108 schermate
を順に送り出して、だんだん一人になるような道を歩いて来た。
私の周囲へはすでに幾度か死が訪れて来た。最近にもまた本郷の若い甥の一人がにわかに腎臓炎で亡くなったという通知を受けた。ちょうど、私の家では次郎が徴兵適齢に当たって、本籍地の東京で検査を受けるために郷里のほうから出て来ていた時であった。次郎も兄の農家を助けながら描いたという幾枚かの習作の油絵を提げて出て来たが、元気も相変わらずだ。亡くなった本郷の甥とは同い年齢にも当たるし、それに幼い時分の遊び友だちでもあったので、その告別式には次郎が出かけて行くことになった。
「若くて死ぬのはいちばんかわいそうだね。」
と、私は言って、新しい仏への菓子折りなぞを取り寄せた。私はまた、次郎や末子の見ているところでこころざしばかりの金を包み、黒い水引きを掛けながら、
「いくら不景気の世の中でも、二円の香奠は包めなくなった。お前たちのかあさんが達者でいた時分には、二円も包めばそれでよかったものだよ。」
と言ってみせた。
次郎はもはや父の代理もできるという改まった顔つきで出かけて行った。日ごろ人なつこく物に感じやすい次郎がその告別式から引き返して来た時は、本郷の親戚の家のほうに集まっていた知る知らぬ人々、青山からだれとだれ、新宿からだれというふうに、旧知のものが並んですわっ