Classici giapponesi con furigana
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あるおんなのしょうがい
嵐・ある女の生涯
島崎 藤村
Leggi 嵐・ある女の生涯 (あるおんなのしょうがい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.846 caratteri · 96 schermate
青々と洗われた新しい蕪菜が見えて来た。それを漬ける手伝いしていると、水道の栓から滝のように迸り出る水が流し許に溢れて、庭口の方まで流れて行った。おげんは冷たい水に手を浸して、じゃぶじゃぶとかき廻していた。
看護婦は驚いたように来て見て、大急ぎで水道の栓を止めた。
「小山さん、そんな水いじりをなすっちゃ、いけませんよ。御覧なさいな、お悪戯をなさるものだから、あなたの手は皸だらけじゃありませんか」
と看護婦に叱られて、おげんはすごすごと自分の部屋の方へ戻って行った。その夕方のことであった。おげんは独りでさみしく部屋の火鉢の前に坐っていた。
「小山さん、お客さま」
と看護婦が声を掛けに来た。思いがけない宗太の娘のお玉がそこへ来てコートの紐を解いた。
「伯母さんはまだお夕飯前ですか」とお玉が訊いた。
「これからお膳が出るところよのい」とおげんは姪に言って見せた。
「それなら、わたしも伯母さんと御一緒に頂くことにしましょう。わたしの分も看護婦さんに頼みましょう」
「お玉もめずらしいことを言出したぞや」
「実は伯母さん、今日は熊叔父さんのお使に上りましたんですよ。わたしが伯母さんのお迎えに参りましたんですよ」