Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

あるおんなのしょうがい

嵐・ある女の生涯

島崎 藤村

Leggi 嵐・ある女の生涯 (あるおんなのしょうがい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.846 caratteri · 96 schermate

Aozora Bunko

「震災の時のことを忘れませんよ」

「それを御隠居さんに言って頂くと、私もうれしい」とお力は話を引取って、「あの時は、私共も届きませんでしたけれど……」

「あれから、お前さん、浦和へ着くまでがなかなか大変でしたよ」とお三輪も思わず焼出された当時の心持を引出された。「平常なら一時間足らずで行かれるところなんでしょう、それを六時間も七時間もかかって……途中で渡れるか渡れないか知れないような橋を渡って……浦和へ着いた頃は、もう真暗サ。あの時は新七が宿屋を探してくれてね。その宿屋でお結飯を造ってくれたとお思い……子供がそのお結飯を見たら、手につかんで離さないじゃないか。みんな泣いちまいましたよ……」

広瀬さんがそこへお三輪を見に来た。金太郎は広瀬さんの顔を見ると、

「今、御隠居さんからお話を伺ってるところです。そう言えば、あの震災の時は先生だっても、面白い服装をして私共へ尋ねて来て下すったじゃありませんか。ほら、太い青竹なぞを杖について……」

「そこから、君、この食堂が生れて来たようなものだよ」

と言って見せて広瀬さんも笑った。

「でも、御隠居さんが今度出て来て下すって、ほんとに私はうれしい」