Classici giapponesi con furigana
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かわへふなをにがす
川へふなをにがす
小川 未明
Leggi 川へふなをにがす (かわへふなをにがす) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 1426 caratteri · 3 schermate
」
弟は、水盤をのぞきながら、
「ごらん、兄さん、ふなが、あんなに大きくなった。」と、いって、びっくりしました。
「よく生きてたね、川魚は、じきに死ぬんだがなあ。」と、遊びにきた、友だちも、ふなを見て、いまさらのように、めずらしがりました。
それより、少年は、ふつう、飼い魚でもない、ふなのうろこが、水のぬるんだため、紫ばんで、なんとなく野性のにおいがする、すがたをたまらなく、美しく感じたのです。
「小さいうちから、この入れ物の中で、そだったので、生きていたんだね。」と、友だちはいいました。
これは、子どもらにとって、うれしいことだったけれど、また、ふなの身になって考えれば、かわいそうなことでもありました。川を知らないふなは、おそらくここをすみかと信じ、安心しているのだろうけれど、だれがふなに川を知らせなかったのかと、子どもらは思わずにいられませんでした。
ある日、金魚屋が、家の前を通りました。その声をきくと、少年は、あの目にしみるような、赤いいきいきとした色がちらつき、じっとしておれずに、弟といっしょに外へとび出しました。今年も、金魚を買って水盤へ入れると、新しく仲間入りをした金魚は、さすがに飼い魚だけあって、あわてずゆうゆうと、長い尾をふりながら、花の咲くすいれんのかげを、いったり、きたりしました。