Classici giapponesi con furigana
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さこんのいかり
左近の怒り
Leggi 左近の怒り (さこんのいかり) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.454 caratteri · 95 schermate
仏像のどこにどのような仕掛けがあって物を隠せるのかそれはメモに書かれていないから左近も知らないが、なるほど秘密の隠し場としては面白い。左近は応接間の仏像を調べてみたが、この仏像にはそういう仕掛はなさそうだ。もっとも素人にたちまち見破られるような仕掛では秘密の隠し場所にもならない。
三十分あまり待った。するとこの邸の門外にざわめきが起り、数名の人がどやどやと邸内へ乱入したのである。
さてはいよいよ追手が来たな、と左近は思った。女の追手か、自分の追手か。自分の追手ならずいぶん手数のかかるワナをはるバカだ。たかが一介の漁師相手だもの、いきなり取りまいてぶん殴ればすむ話ではないか。
追手はドヤドヤ家の中まで乱入した。応接間の扉があいて、立派な紳士が彼の前にヌッと立った。彼は左近を睨みつけて、
「キミは何者だね」
「キミは何者だ」
「云うまでもない。当家のアルジだ」
「ボクは当家の娘にたのまれて、ここまで送ってきた者だ」
「当家の娘はここにいる」
男のうしろから若い女が顔をだしている。なるほどその男によく似ている。生意気そうな娘であった。
「その人の姉か妹だろう。台所で料理をつくっているから、きいてみたまえ」