Classici giapponesi con furigana
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さこんのいかり
左近の怒り
Leggi 左近の怒り (さこんのいかり) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.454 caratteri · 95 schermate
「それは約束がちがいますよ。ボクの仕事は夏川左近を追ッぱらうので終りのはずだ。どこのオエラ方の命令か知りませんが、三下だって怒る時はありますぜ」
「まアま。カンちがいしちゃいけないな。苦は楽のタネ。よき報いの訪れとは、このことだよ。この仕事には莫大の報いがある。おまけに単なる商談だよ。夏川左近を追ッぱらったあとでだね、大竜出版と氏家印刷の払いをすましてバクダン・メモの出版を中止させるのがキミの仕事だ。ネ。単なる商談さ。値切ったぶんはキミのモウケになるぜ」
「だってボクが依頼した出版でもないのに、そんなことできますか」
「そこは適当にやりたまえ。住田嘉久馬氏にたのまれたと云うんだね」
「委任状は?」
「そういうものが必要かなア。ねえ、キミ。商談ですよ。しかも、現金の支払いですよ。先方は現ナマをちょうだいするのだ。そのほかに、何がいりますか」
「それが良き報いですかね」
「当り前さ。キミの腕次第で、モウケはお気に召すままだ。キミの労苦をねぎらうためにキミに与えられた仕事だぜ。失礼な申し様だが、本来ならこれは紳士の仕事だね。軍人で申せば大佐以上、あるいは、代議士、社長。