Classici giapponesi con furigana
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さこんのいかり
左近の怒り
Leggi 左近の怒り (さこんのいかり) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.454 caratteri · 95 schermate
「これは明日の早版の朝刊だ。東京の朝刊にはもっと尾ヒレがつくはずだがね。住田の野郎どこへ雲がくれしやがったんだろ」
谷本がポケットからとりだして示した新聞の社会面、そのトップに大きくでているのがその記事だった。
「この記事じゃアここの三四行が一番カンジンなんだ。いいかい。住田の雲がくれの裏には大金の動いた形跡がある、というんだな。その金額は一億五千万円と云われている。な。住田がその金を受け取ったんだ」
「畜生! メモの出版を一億五千万円で売りやがったな!」
「バカ云うな。こんなメモ、組んだだけじゃアたかだか十万ぐらいの損害じゃないか。メモの内容はすでに然るべき筋には全部知れ渡っているんだよ。この出版を怖がってるような連中は天下に一人もいやしないよ」
「だって、ほかに何も怖れる物はないじゃないか」
「この出版を怖れるとすればヨロンへの影響ぐらいのものさ。だから各紙だってせいぜいその意味でしか取りあげていなかったのさ。一億五千万円の値打のあるのはメモの中に暗示されてる一物だよ。大石弁造と玉子だけが知ってたという一尺八寸の仏像の中の秘密書類。この汚職事件の唯一の物的証拠だよ。