Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate

Aozora Bunko

磯五のところへ、挨拶に顔を出したのだ。

「あら、まあ、旦那――」

おしんの口から、おどろきの声が、逃げた。

鼎の座

一

沈黙が、お高をとらえた。湯のような熱いものが、なみなみと彼女の胸にあふれた。それは、驚愕の感情だ。恐怖でさえあった。龍造寺主計がじぶんを恋するなどと、夢にも思わなかったことだ。同時にそうして無言でいるお高のこころに、やわらかい、あわれむようなおかしみが、一筋めらめらと燃え上がってきた。お高は、相手があしたたつといういま、それをいいにぶらりと自分の居間へやって来たのだと思うと、べつに悪い意味からではなく、ただちょっとふき出したくなった。

二つの考えが、その瞬間のお高を走り過ぎた。一つは、この龍造寺主計という人は、諸国を流浪して人にもまれているようでも、案外すれていないということであった。

もう一つの印象は、この人はいやしい生まれではなく、ことにその母親は、単純な美しいたましいの所有主であったろうということだ。じっさいお高は、龍造寺主計の生母を想像してみた。それほど、不思議なくらい天真爛漫たるものが、その恋を打ちあけた龍造寺主計のことばからにおって、お高をつつんだのだ。