Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate
ほんとに、それだけは、御辞退申し上げます」
「なぜだ」
「なぜと申して、そんなことをしていただこうと思って、お話し申したのではございません」
「それは、わかっている。だから、貸すのだ。暫時、貸すのだ」
若松屋惣七は、いつのまにか、ほろ苦くほほえんでいた。お高は、あわてて、二度も三度もつづけさまにおじぎをして、やたらに手を振った。
「いえ、もう、それだけは――そのお志だけで、ほんとに、ありがとうございますが、でも、お立て替えくださることだけは、失礼でございますが、お断わり申し上げます」
「ふうむ。それはお高、あまりに他人行儀というものではないか」
「――」
「ははあ、読めたぞ。お前はまだ、そのすてられた男のことを思っているのであろう」
「――」
「これ、お高、そちは、その男のことを思いながら、わたしと、こういうことになったのか」
若松屋惣七は、くちびるを白くしている。お高の顔にも、血の気がないのだ。
五
いきなり、若松屋惣七は、天井へ向かって笑い声をほうり上げた。いつまでも笑っている。いつまでたっても、馬がいななくように笑っているので、お高は、気味がわるくなったが、それでも、ほっとして、鬢のほつれ毛を指でなで上げた。