Classici giapponesi con furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate
それから、一空さまは、相良寛十郎が死んだとは知らなかったこと、後妻を迎えはしなかったかのと、いろんなことをきいた。お高は、たった一年、父が南のほうへ旅に出たあいだ離れて暮らしただけで、ほかはいつもいっしょにいたのだから、じぶんの知らない妻や妾があったはずはないと断言した。
一空さまが、あんまり亡父のことを根掘り葉ほりきくので、お高は、すこし不愉快になってきた。黙っていると、一空さまは、ひとり言のように繰り返した。
「合点がゆかぬ。どうも合点がゆかぬ」
「何がそう合点がゆかないのでございます」
お高が、一空さまの顔を見上げたとき、ふたりは、金剛寺門前町のごみごみした通りにさしかかっていた。
四
むこうに山門が見えている。風が、路上を狂奔している。かなりに広い通りだ。両側は、金剛寺をはじめこのへんの武家やしきで立っている小売りの店屋だ。米、味噌、醤油、酒、油、反物、筆墨、小間物、菓子、瀬戸物、履物類、その他の日用品をひさぐ店が、ずらりと櫛比しているのだ。
大したものはなくても、何でも用が足りる。この山の手での下町で、近所に重宝がられてきた小商人の町すじなのだ。