Classici giapponesi con furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate
駒留橋から両国。
お江戸名所九十六間の板張りが、細かい飛沫に白じらと光っている。
渡れば広小路。
番所を右に、風流柳橋の紅燈。
春宵一刻価千金、ここばかりは時を得顔の絃歌にさざめいている。
が、守人の胸中は外部の闇黒よりも濃い。
どこまで行くつもりか、傘を持ちかえて、平右衛門河岸の通りへかかった。
このときだ。
一つのがんどう提灯と、それを取り巻いて七、八人の影とが、あとになり前になり、音を忍んで守人のみちにからみ出した。
守人は気がつかない。興の趣くままに、彼はふと高らかに吟じた。
「今日危途春雨冷やかなり――」
すると、すぐうしろに太い声がして、
「檻車揺夢度函関」
と、すばやく次の句をつけた者がある。
驚いて振り返ると、他の影はさっと左右の軒下に分かれて、頭巾の中からほほえみかけて立っている大男の侍一人。
黒ずくめにがんどう提燈、あまり安心のゆける装束ではない、それが軽く頭を下げて、
「はからずも愛吟の詩を耳にして、つい口に出ました。無礼の段平に御容赦を」
いいながら寄り添う。
「どうつかまつりまして、うろ覚えの一節、拙者こそお恥ずかしく存じます」