Classici giapponesi con furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate
さっと戸をあけて――、
かあっ、ぺっ!
守人が唾を吐きかけると、影はころぶように生垣の闇黒に消えた。
「何でござるな?」
銀二郎がきいた。守人はぴしゃりと戸を締めた。
「御用心! 手がまわったと見えまするぞ」
「何の」銀二郎は一笑に附した。「犬じゃ、犬じゃ。雨に迷うた宿なし犬じゃ。おそるることはあるまい」
「さよう」
何ごころなく眼を返した守人は、銀二郎の顔が、不純な心配と恐怖にゆがんでいるのをみて取った。
さては此奴め内通でも――?
いやいや、 まさか!
「さよう」と守人がにっこりして、「だがしかし、その犬も歩けば棒に当たるとか申しましてな」
といった時、篠突く雨の音を消して、家の周囲にどっと人声が沸き立った。
「しらべの筋あって南町奉行隠密まわり同心税所邦之助出張致した。開門、かあいもうーん!」
奥と台所で同時に燈火を吹き消した。
漆黒の闇。
やけのやん八どうなとなれ
鎧櫃で、どこともなく変な旅をしたあの女。
ようようのことで吃りの殿様と猫侍の屋敷をのがれ出て、だらだら坂をおりてほっと一息。
まずよかった。
ここもお江戸の町らしい。
――角の小店で途を聞いているところへ、背後で多勢の跫音がしたので、振り返ってみると、いま来た坂を五、六人の男がばらばらばらっと駈けおりてくる。