Classici giapponesi con furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate
なあ閑山」
伊織がとめている。
「なあに、こんな唐変木にあこのくれえでなけあ通じねえんで、大きな声は地声だ。やい人殺し兇状は――と来やがらあ。どうでえ」
何が何んだかわからないが、はや往来に人が立つほど、丹三の声は威勢がいい。これが閑山には一番痛いとみえて泣かんばかりにあやまっている。
ふと文次が台所を見ると、もとは自分から起こったことというので、自責と悲憤に耐えないのだろう。飯たき久七が茶碗酒をあおって、泪と鼻汁をいっしょにこすり上げているさわぎ。いやもう、裏もおもてもたいそうなにぎやかさ。
この騒動の最中に、伊織がそっと手でもひろげて見せたものと見えて、
「へえ、五両で。よろしゅうございます」
という閑山の声。つづいて伊織が、
「ばかを申せ。五百だ、五百両がびた一文欠けても引きはせぬぞ」
いよいよ本筋へはいったのが聞こえた。
もうよかろうというので、文次は腰を曲げて店へ出て行った。
ぽんと前掛けの裾をたたいて、ぴたり伊織の前へすわる。
「どうも先ほどは」
伊織も丹三も驚いたが、あっけにとられたのは閑山老だ。ぽかんとしている。
「何だ。貴様は」
伊織、白を切った。