Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate

Aozora Bunko

文次は笑い出した。

「おやんなさったね、お侍さん」

「わかったか」と覆面の侍げらげらと咽喉を鳴らした。文次には記憶のある、小癪にさわる音声だ。

「どうだわかったか」

「わかりました」

いいながら、文次、ちらと店の賊へ眼をやって、

「わかりましたよ、内藤さん、ずいぶんあばれますねえ」

「な、何だと? 内藤? 内藤とは何だ?」

「内藤とは内藤、内藤伊織だ。はっはっは、妻恋坂殿様の御用人、あんまり性のよくねえ赤鰯さ。はっはっはは」

「ぷうっ! おのれ! 汝はここの手代だな」

「汝は、と来たね。だがね内藤の旦那、あっしあ手先だよ」

「なに、手先?」

「さよう、十手をいただいてるんだ。へっへっへ、いやな商売、どうせ畳の上じゃあ死にませんね」

この文次のことばが、終わるかおわらないかに、たあっ――! と飛びすさった猫侍内藤伊織、にやりと笑って、店にいる抜刀へ声をかけた。

「丹三よ、かかれ! 斬れ、斬れ! 斬っちめえ!」

月は暗い。雲があるのだ。

用というのは首がほしい

その薄い光で見ると、ほろ酔いきげんの遊佐銀二郎、謡曲か何か低声にうなりながら、妻恋坂から立売坂へさしかかってゆく。