Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しせいけんそう

市井喧争

太宰 治

Leggi 市井喧争 (しせいけんそう) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1735 caratteri · 4 schermate

Aozora Bunko

」図星であった。私は、敗色が濃かった。

「それあ、たのしんでいる。僕は、四円もとられたんだぜ。」

「安いもんじゃないですか。」言下に反撥して来る。闘志満々である。「カフェへ行って酒を呑むことを考えなさい。」失敬なことまで口走る。

「カフェなんかへは行かないよ。行きたくても、行けないんだ。四円なんて、僕には、おそろしく痛かったんですよ。」実相をぶちまけるより他は無い。

「痛かったかどうか、こっちの知ったことじゃないんです。」商人は、いよいよ勢を得て、へへんと私を嘲笑した。「そんなに痛かったら、あっさり白状して断れば、よかったんだ。」

「それが僕の弱さだ。断れなかったんだ。」

「そんなに弱くて、どうしますか。」いよいよ私を軽蔑する。「男一匹、そんなに弱くてよくこの世の中に生きて行けますね。」生意気なやつである。

「僕も、そう思うんだ。だから、これからは、要らないときには、はっきり要らないと断ろうと覚悟していたのだ。そこへ、君が来たというわけなんだ。」

「はははは、」商人は、それを聞いてひどく笑った。「そういうわけですか。なるほどねえ。」とやはり、いや味な語調である。