Classici giapponesi con furigana
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ていぎんじけんをろんず
帝銀事件を論ず
Leggi 帝銀事件を論ず (ていぎんじけんをろんず) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7227 caratteri · 15 schermate
政治の根本に、現実に即した論理性を欠いているのだ。つまり、全然、人間というものがない。もし、人間というものがあり、人間に即した論理があれば、千八百円の配給では食ってゆかれぬ、しからば各人のヤミやルートは犯罪ではない。そこから出発して、別の政策がなければならぬはずなのである。根本的に別のなにかでなければならぬはずである。
人間とは何者であるか。政治家は最も多くそれを知ることが必要である。人間とは何者であるか? 衣食足れば礼節を知り、窮すれば罪の子となる。食に窮すれば、子は親に隠れて食い、親は子の備蓄を盗む。これが人間の姿である。孝子は自ら飢えて親を養うというが、これは非凡のことであり、非凡の例を以て凡人にのぞみ訓戒をたれて足れりとするのは、自らの無能無策を稀有な美談をかりてマンチャクするのみのこと、このこと自体悪徳であり、政治家として自らの無能に愧死すべきのみ。
われわれの現実に、キリストはいらぬ。政治家がわれ等の罪を負うてハリツケにかかったところで、われわれの空腹は救われはせぬ。ただ政治家が厳しく認識して、踏んで立つ唯一の地盤は、道義のタイハイも魂の荒廃も、人間自身に罪があるのではなくて、物資の窮乏甚だしきによってであるという単純極まる一事の認識にすぎない。