Classici giapponesi con furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate
も一つ好い事は――部屋の事ではないが、此家は下宿料の取立が寛大だった。亭主は居るか居ないか分らんような人で、お神さん一人で繰廻しているようだったが、快活で、腹の大きい人で、少し居馴染んだ者には、一月二月下宿料が滞っても、宜しゅうございます、御都合の好い時で、といってビリビリしない。収入の不定な私には是が何よりだったから、私は二年越此家に下宿して居た。
或日朝から出て昼過に帰ると、帳場に看慣れぬ女が居る。後向だったから、顔は分らなかったが、根下りの銀杏返しで、黒縮緬だか何だかの小さな紋の附いた羽織を着て、ベタリと坐ってる後姿が何となく好かったが、私がお神さんと物を言ってる間、其女は振向いても見ないで、黙って彼方向いて烟草を喫っていた。
部屋へ来る跡から下女が火を持って来たから、捉まえて聞くと、今朝殆ど私と入違いに尋ねて来たのだそうで、何でもお神さんの身寄だとかで、車で手荷物なぞも持って来たから、地方の人らしいと云う。唯其切で、下女の事だから要領を得ない。
「如何な女だい?」
「あら、今御覧なすったじゃ有りませんか?」
「後向きで分らなかった。」
「別品ですよ」