Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate

Aozora Bunko

三四日経った。いつも女の助けるのは朝晩の忙がしい時だけで、昼は顔も出さない。考えて見ると、奉公人でないから其筈だが、私は失望した。顔は度々合せるから漸く分ったが、能く見ると、雀斑が有って、生際に少し難が有る。髪も更少し濃かったらと思われたが、併し何となく締りのあるキリッとした面相で、私は矢張好いと思った。名はお糸といってお神さんの姪だとか云う。皆下女からの復聞だ。

何とかして一日も早く接近したいが、如何も顔を合せると、物が言えなくなる。昼間廊下で行逢った時など、女は小腰を屈めて会釈するような、せんような、曖昧な態度で摺脱けて行く。其様な時に接近したがってる事は色にも出さずに、ヒョイと、軽く、些と話に入らッしゃい、とか何とか言ったら、最終には来るようになるかも知れんとは思うけれど、然う思うばかりで、私の口は重たくて、ヒョイと、軽く、其様な事が言えない。

度々面を合せても物を言わんから、段々何だか妙に隔てが出来て来て、改めて物を言うのが最う変になって来る。此分だと、余程何か変った事が、例えば、火事とか大地震とかがあって、人心の常軌を逸する場合でないと、隔ての関を破って接近されなくなりそうだ。