Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate

Aozora Bunko

厭に白けて、光沢がなくて、死の影に曇っているから、顔中が何処となく薄暗い。もう家のお祖母さんでは無いような気がする。といって、余処のお祖母さんでもないが、何だか其処に薄気味の悪い区劃が出来て、此方は明るくて暖かだが、向うは薄暗くて冷たいようで、何がなしに怕かった。

「お辞儀をしないか。」

と父に催促されて、私は莞爾々々となった。何故だか知らんが、莞爾々々となって、ドサンと膝を突いて、遠方からお辞儀して、急いで次の間へ逃げて来て、矢張莞爾々々していた。

其中に親類の人達が集まって来る、お寺から坊さんが来る、其晩はお通夜で、翌日は葬式と、何だか家内が混雑するのに、覩る物聞く事皆珍らしいので、私は其に紛れて何とも思わなかったが、軈て葬式が済んで寺から帰って来ると、手伝の人も一人帰り二人帰りして、跡は又家の者ばかりになる。薄暗いランプの蔭でト面を合せて見ると、お祖母さんが一人足りない。ああ、お祖母さんは先刻穴へ入って了ったが、もう何時迄待ても帰って来ぬのだと思うと、急に私は悲しくなってシクシク泣出した。

私の泣くのを見て母も泣いた。父も到頭泣いた。親子三人向合って、黙って暫く泣いていた。