Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate

Aozora Bunko

と卒然内へ喚き込んだが、母の姿は見えないで、台所で返事がする。

誰だか来て居るようで、話声がしているけれど、其様な事に頓着しては居られない。学校道具を座敷の中央へ抛り出して置いて台所へ飛んで行くなり、

「阿母さん! ……ポチは? ……」

と喘ぎ喘ぎまず聞いてみた。

母は黙って此方を向いた。常は滅入ったような蒼い面をしている人だったが、其時此方を向いた顔を見ると、微と紅くなって、眼に潤みを持ち、どうも尋常の顔色でない。私は急に何か物に行当ったようにうろうろして、

「殺されたかい? ……」

と凝と母の面を視た時には、気息が塞りそうだった。

母は一寸躊躇ったようだったが、思切って投出すように、

「殺されたとさ……」

逸散に駈て来て、ドカッと深い穴へ落ちたら、彼様な気がするだろうと思う。私は然う聞くと、ハッと内へ気息を引いた。と、張詰めて破裂れそうになっていた気がサッと退いて、何だか奥深い穴のような処へ滅入って行くようで、四辺が濛と暗くなると、母の顔が見えなくなった……

「炭屋さんが見て来なすッたンだッさ。」

という声がふと耳に入ると、クワッとまた其処らが明るくなって眼の前に丸髷が見える。