Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate

Aozora Bunko

中にも是ばかりは一生目の底に染付いて忘れられまいと思うのは十の時死別れた祖母の面だ。

今でも目を瞑ると、直ぐ顕然と目の前に浮ぶ。面長の、老人だから無論皺は寄っていたが、締った口元で、段鼻で、なかなか上品な面相だったが、眼が大きな眼で、女には強過る程権が有って、古屋の――これが私の家の姓だ――古屋の隠居の眼といったら、随分評判の眼だったそうだ。成程然ういえば、何か気に入らぬ事が有って祖母が白眼でジロリと睨むと、子供心にも何だか無気味だったような覚がまだ有る。

大抵の人は気象が眼へ出ると云う。祖母が矢張り其だった。全く眼色のような気象で、勝気で、鋭くて、能く何かに気の附く、口も八丁手も八丁という、一口に言えば男勝り……まあ、そういった質の人だったそうな、――私は子供の事で一向夢中だったが。

生長後親類などの話で聞くと、それというが幾分か境遇の然らしめた所も有ったらしい――というのは、早く祖父に死なれて若い時から後家を徹して来た。後家という者はいつの世でも兎角人に影口言れ勝の、割の悪いものだから、勝気の祖母はこれが悔しくて堪らない。それで、何の、女でこそあれ、と気を張る。