Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate

Aozora Bunko

松も出て行く。私一人になって了った。詰らない……

ふと雪江さんの座蒲団が眼に入る……之れを見ると、何だか捜していた物が看附ったような気がして、卒然引浚って、急いで起上って雪江さんの跡を追った。

茶の間の先の暗い処で雪江さんに追付いた。

「なあに? ……」

と雪江さんの吃驚したような声がして、大方振向いたのだろう、面の輪廓だけが微白く暗中に見えた。

「貴嬢の座布団を持って来たのです。」

「あ、そうだッけ。忘れちゃッた。爰へ頂戴」、と手を出したようだった。

私は狼狽てて座布団を後へ匿して、

「好いです、私が持ってくから。」

「あら、何故?」

「何故でも……好いです……」

「そう……」

と何だか変に思った様子だったが、雪江さんは又暗中を動き出す。暗黒で能くは分らないけれど、其姿が見えるようだ。私も跡から探足で行く。何だか気が焦る。今だ、今だ、と頭の何処かで喚く声がする。如何か為なきゃならんような気がして、むずむずするけれど、何だか可怕くて如何も出来ない。咽喉が乾いて引付きそうで、思わずグビリと堅唾を呑んだ……と、段々明るくなって、雪江さんの姿が瞭然明るみに浮出す。もう雪江さんの部屋の前へ来て、雪江さんの姿は衝と障子の中へ入って了った。