Classici giapponesi con furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Leggi 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.946 caratteri · 34 schermate
……言うまでもない、こりゃア、恋の怨みで定太郎を突き落すための仕業なのさ」
「すると、美濃清は、いつ里春を殺ったのでしょう」
「たぶん、朝鮮人が寄ってけたたましく前囃子をはじめたころででもあったろうよ。……論より証拠、のっぴきならないところを見せてやる」
と言いながら、象の腹のほうへ寄って行き、檳榔子塗の腰刀を抜いて無造作にガリガリと胡粉を掻き落していたが、そのうちに手を休めて得意満面に伝兵衛のほうへ振りかえり、
「どうだ、伝兵衛。ここへ来て見ろ。象の下ッ腹に、この通り桐油を五枚梳張りにして、その上を念入に渋でとめてある。象の腹で金魚を飼いやしまいし、こんな手の込んだことをする馬鹿はない。それに、ひと眼見てわかる通り、これは去年一昨年のものじゃない。つい最近にやった仕事。……なア、伝兵衛、こんな仕事が出来るのは、四人のうちで美濃清だけ」
「恐れ入りました」
源内先生、ニヤリと笑って、
「お前が恐れ入ることはないさ。……しかし、これだけじゃ、美濃清の首根ッ子を押えるわけにはゆかない。親父のやったことで私は知りませんと言われたらそれっきり。……敵を謀るはまず怖れしむるにある。