Classici giapponesi con furigana
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げんじゅつてんまたろう
幻術天魔太郎
野村 胡堂
Leggi 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.616 caratteri · 90 schermate
「さて、おまえたちの住家を見せてやろうか」
心外道人は先に立って、うす暗い洞窟のなかへ入ってゆきました。左右も天井も、岩はエメラルド色に苔むしておりますが、暗くて陰気で、ここに人間が住めそうもありません。
「だいぶおどろいたようだな、が、安心するがよい。ほんとうの住居はこっちだ」
道人は、何やらブツブツと呪文のようなものをとなえながら、右手の岸壁を二つ三つたたくと、大きな岩と見せた――じつはみどり色にぬった木のクサビがポコリと落ちて、心外道人の大地をふむ足にしたがって、たたみ一枚ほどの、これも偽装の岩の扉が、音もなくギーッとひらくのでした。
「アッ」
太郎も月子も、おどろいて声をあげました。扉のなかは、どこからあかりがはいるか、思いのほかきれいなトンネルふうの道がつづいて、トンネルがつきたところに、もう一つの扉があり、それをさっきとおなじ手順で開けると、なかはま昼の世界です。
花も咲き、鳥もうたう数万坪のみどりの盆地になって花のしたの小路をゆけば、三間四方ばかりの、思いもよらぬ小ぎれいな庵がたっているではありませんか。
「さあ、中へ入って休むがよい。とうぶんはここがおまえたちの住家だ。