Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいづま
幽霊妻
大阪 圭吉
Leggi 幽霊妻 (ゆうれいづま) di 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.233 caratteri · 20 schermate
そして戸締りなぞにつきましても、いままでより一層神経質になり、厳しくおっしゃるのでございます。――気のせいか、そうして日毎に御容子のお変わりになって行く旦那様のお側におりながら、私共は、ただわけもわからず、オドオドいたすばかりでございました。……
――いや、ところが、こうしたまるで『牡丹燈籠』の新三郎のような不吉な御容子は、そのまま四日ほども段々高まり続いて、とうとう恐ろしい最期の夜が参ったのでございます。
――いや全く、今思い出してもゾッとするような恐ろしい出来事でございました。……なんでも、あの日女中の澄さんは、千葉の里から兄さんが訪ねて来まして、一晩お暇をいただいて遊びに出掛け、旦那様のお世話は、この老耄が一人でお引き受けいたしていたのでございますが、六時頃に夕飯をおすましになりますと、旦那様は、御書斎から何か書類の束をお持ち出しになって、
「明日から二、三日、学校の方を休みたいと思うから、これを早稲田の上田さんへお届けして、お願いして来てくれ」
とおっしゃるのでございます。上田様とおっしゃるのは、学校で旦那様の代理をなさる先生でございます。