Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

Leggi 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) di 久坂 葉子 (くさかようこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 59.103 caratteri · 121 schermate

Aozora Bunko

私は、帰り度くないと申しました。でも、鉄路のほとりは、私に帰るようにと云いました。十時半前、大阪駅に戻りました。汽車には、まだ間に合うのです。でも私は、黒部へ行こうとは勿論思いませんでした。私は、鉄路のほとりと別れて、神戸へむかいました。そして知合いに出あい、彼にさそわれて、焼鳥屋へのみに行ったりして、帰ったのです。小母様。だけど一歩家の中へはいった私は、又、重い石を頭にのっけられたような、いやな気持になったのです。淀んだ川瀬から、救い出してほしい。誰か救い出してほしい。私は疲れ切っていました。小母様、鉄路のほとりに、私の今の立場を救い出してほしいとは云いかねるのです。彼は生活がゆたかではありませんし、今のようなお互の気持に、現実的な問題をどうして取上げられましょうか。その夜も、兄のことで、父母は何かぽそぽそ云ってましたし、私はすぐに寝床へはいり、とても、苦しい気持になったのです。一刻も早く。私は、重石をとりのぞかせるような状態まで、自分を持ってゆき度いと。私はその夜あれこれと随分考えました。彼とのこと。それと家庭のこと。その日だって、さっさと帰ればいいものを、電車を神戸で降りると、もういやあな気持になる。