Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうどうちゅうそでん

弓道中祖伝

国枝 史郎

Leggi 弓道中祖伝 (きゅうどうちゅうそでん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9647 caratteri · 19 schermate

Aozora Bunko

「雉四郎殿か、お迎えご苦労! が、姫君には申して居られる、迎えにも応ぜず『養由基』もやらぬと。……雉四郎殿お立帰りなされ」

「黙れ!」と、雉四郎の怒声が聞こえた。

「それでは約束に背くというものだ」

「元々貴殿より姫君に対して、強請された難題でござる。背いたとて何の不義になろう」

「よろしい背け、がしかしだ、一旦思い込んだこの雉四郎、姫も奪うぞ『養由基』も取る! それだけの覚悟、ついて居ろうな!」

すると老人の声が書院の方へ――正次の方へ呼びかけた。

「あいや客人、日置正次殿、我等必死のお願いでござる、貴殿の弓勢お示し下され! 寄せて参ったは、不頼の輩、あばら組と申す奴原、討ち取って仔細無き奴原でござる!」

「応」と云うと日置正次は、調度掛にかけてある陽の弓、七尺五寸、叢重籐、その真中をムズと握り、白磨箆鳴鏑の箭を掴むと、襖をあけて縁へ出た。

「寄せて来られた方々に申す。拙者は旅の武士でござって、今宵この館に宿を求めた者、従って貴殿方に恩怨はござらぬ。又この館の人々とも、たいして恩も誼もござらぬ。がしかしながら見受けましたところ、貴殿方は大勢、しかのみならず、武器をたずさえて乱入された様子、しかるに館には婦人と老人、たった二人しかまかりあらぬ。