Classici giapponesi con furigana
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きゅうどうちゅうそでん
弓道中祖伝
国枝 史郎
Leggi 弓道中祖伝 (きゅうどうちゅうそでん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9647 caratteri · 19 schermate
「やあ汝よくもよくも、我等の味方を箭先にかけ、二人までも射て取ったな。もはや許さぬ、槍を喰らって、この世をおさらば、往生遂げろ!」
叫びながら驀進に、正次目掛けて走りかかった。
(いよいよ此奴を!)と日置正次、引きしぼり保った十三束三伏、柳葉の箭先に胸板を狙い、やや間近過ぎると思いながらも、兵ふっとばかり切って放した。
狙いあやまたず胸板を射抜き、本矧までも貫いた。
末期の悲鳴、凄く残し、槍を落とすとドッと背後へ、雉四郎は仆れて死んだ。頭目を討たれたあばら組の余衆、競ってかかる勇気はなく、雉四郎の死骸さえ打ち捨て、ドーッと裏門からなだれ出た。
半刻あまりも経った頃、正次と篠姫と和田兵庫とが、書院でつつましく話していた。正次の前には三宝に載せた「養由基」の一巻があった。姫から正次へ譲られたものである。「養由基」を譲るに足るような武士を、この館へ幾人となく誘い、弓道をこれまで試みたが、今日までふさわしい人物に逢わず、失望を重ねていたところ、今日になって貴殿とお逢いすることが出来た。「養由基」をお譲りする人物に、うってつけに似つかわしい立派な貴殿に。――こういう意味の事を和田兵庫は云った。