Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうどうちゅうそでん

弓道中祖伝

国枝 史郎

Leggi 弓道中祖伝 (きゅうどうちゅうそでん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9647 caratteri · 19 schermate

Aozora Bunko

「やれやれ」と若武士は呟いた。

「これはどうやら無住の館らしい。とするとどうしてあの老人は、こんな所を世話したのであろう?」

これからどうしようかと考えた。足も疲労ていたし気も疲労ていた。で、無住の館なら、誰にも遠慮することもない。ともかくもしばらく休息して行こう。こう考えて玄関を上った。二ノ間一ノ間を打ち通り、奥の間へ来て佇んだ。燈火のない屋内は、ひたすらに暗く何も見えなかった。

そこで若武士は膝を揃えて坐った。疲労た足を癒すには、端坐するのがよいからであった。

2

こうしてしばらく時が経った。と、その時裏庭の方から、清らかな若い女の声で、今様めいた歌をうたう、歌の声が聞こえてきた。

(はてな?)と若武士は耳を澄ました。

※(歌記号、1-3-28)荒れし都の古館、見れば昔ぞ忍ばるる、蓬が原に露しげく、啼くは鶉か憐れなり

それはこういう歌であった。若武士は当然意外に感じた。

(このような荒れ果てた館の庭で、歌をうたう女があろうとは? さては無住ではなかったのか?)

で若武士は立ち上り、部屋を出て縁へ立った。星明りの下に見えたのは、荒れた館にふさわしく、これも荒れ果てた裏庭で、雑草は延びて丈にも達し、庭木は形もしどろに繁って、自然の姿を呈して居り、昔は数奇を谷めたらしい、築山、泉水、石橋、亭、そういうものは布置において