Classici giapponesi con furigana
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でしのこころ
弟子の心
宮本 百合子
Leggi 弟子の心 (でしのこころ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3926 caratteri · 8 schermate
知識慾の燃える者は、その方向から、軟かな、当途のない情緒に満ちたものは、只漠然とした好もしさから、先生に接する程のものは、皆、先生を敬愛した。然し、なれ易いところはなかった。
今になって考えれば、理想主義的現実主義とでも云うべき先生の思想は至極穏健なものであった。
それでさえ、当時は、やや異端であったのだから、驚く。
先生の境遇は、感情的な偏見と、名誉慾に古びた女性の集団に挾まって、その時分も、かなり晴々しくないものがあったらしく思われる。
私にとって印象の深い、一插話がある。
丁度五年頃、千葉先生は、水色メリンスの幅のひろい襷を持って居られた。その頃は、毎朝、始業前に、運動場に集って深呼吸と、一寸した運動をすることになっていた。先生は、そのような時、その水色襷で、袂をかかげられる。
十字に綾どられた水色襷が、どんなに美くしく、心を捕えたのか。私と同級の一人の友達は、いつの間にか、それと寸分違わないもう一つの水色襷を作った。そして、何気なく体操や何かの時、ふっさり結んで肩につける。
ところが或る日、担任の先生から、
「近頃、誰の真似だか知らないが、いやに幅の広い襷をかけたり、髪をゆるく落ちそうに巻いたりする人があるが、よろしくない」