Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かげおとこ

影男

江戸川 乱歩

Leggi 影男 (かげおとこ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.133 caratteri · 310 schermate

Aozora Bunko

だから、立案料に半分出そうというわけです」

須原はぬけぬけとうそをついた。読者も知るように、川波良斎への要求額は二千万円であった。つまり、影男を抹殺する代金が二千万円だった。なんということだ。このずぶとい小男は、これから殺そうと思っている当人に、その殺人方法を立案させようというわけなのである。

あぶない、あぶない。さすがの影男も、そこまでは気がつくまい。いくらなんでも、自分を殺そうとしているやつが、その殺し方を自分に教わりに来るとは、考えも及ばないであろう。

「あなたは今、取っておきの名案があるとおっしゃいましたね。それをひとつご伝授願いたい。さだめし、すばらしい名案でしょうな」

小男は両手をこすり合わせて、舌なめずりをした。

「ぼくの名案というのは、密室ですよ」

「え、密室?」

「探偵小説のほうで有名な、あの秘密の殺人というやつです」

「ふん、ふん、わかります。わかります。それで?」

「つまり、そのへやの内部から完全な締まりができていて、犯人の逃げ出すすきまが絶対にない。それにもかかわらず、そのへやには、被害者の死体だけが残されて、犯人の姿は見えないというやつですね。