Classici giapponesi con furigana
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かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
Leggi 影男 (かげおとこ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.133 caratteri · 310 schermate
「このへんがよかろう。きみも掛けたまえ」
小男の須原が、大きなカシの木の根に腰かけると、影男も向きあって腰をおろした。
「いったい、これはどうしたわけだ。残念ながら、わしにはまだわからないよ。まんまといっぱいくわされたね」
須原がふしぎそうな顔でいうと、影男はニヤニヤ笑いながら、説明をはじめた。
「東京港のボートの中で、お互いにピストルを見せあったね。きみが二五口径のコルトを持っていることは、まえから知っていた。それで、おれも同じコルトを手に入れたが、それがまったく同じ型かどうかを、あのとき確かめたのだよ。そして、このあいだの晩、きみがたずねてきたとき、そっときみのポケットのピストルとすり替えておいたのだ」
「エッ、すりかえた? いつのまに? これはおどろいた。きみは奇術師だ」
「奇術師だよ。おれのような世渡りには、奇術が何よりたいせつだからね。専門家について習ったものだ。そういうわけで、きみのポケットへすべりこませておいたピストルの最初の一発はから玉だった。あとは実弾だが、おれは一発で死ぬつもりだったから、それでよかったのだ。きみがあとになってピストルを調べても、残っているのは皆実弾だから、まさか最初の一発だけがから玉だったとは気がつくまいからね」