Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おうまじるしはいしゃく
御馬印拝借
山本 周五郎
Leggi 御馬印拝借 (おうまじるしはいしゃく) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.483 caratteri · 43 schermate
めの知らないことなんです、というのはすでにむすめはほかに云い交わした者があるのですから」いつもしずかな源七郎の顔つきがそのときくっとひき緊った、虎之助はとどめを刺すような調子で「そうです」と続けた、「……そのむすめにはゆくすえを約した者がある、たとえ親がどうきめようとも、むすめの心はほかにあるんです、はっきり申上げますがそれはこの河津虎之助ですよ」そう云い切ったとたんである、源七郎がものも云わずに突然かれをもろ手で突きとばした、虎之助は仰のけにだっと倒れ「なにをなさる」と叫んではね起きようとした。そこへ源七郎が折り重なるように身を伏せて押えつけ「動くな」と叫んだ、「敵の狙撃だ、じっとしていろ……」しかしそれより早く、戞! 戞! と銃弾がものみの塁壁を抉り、石屑と土をはね飛ばした。だあん、と谷にこだまして、銃声がかなり間近に聞える、虎之助はこくっと息をのんだ。しばらく飛弾の隙をみていたが、やがて源七郎は「はやく、この間に塁へはいれ」と虎之助を押しやった、「ひと言だけ云って置くがここは戦場だ、これから決して鏡のことなど口にしてはならん、……おれは此処にいる、下へいって二番組に松の木へ銃を伏せろといえ、敵は寄せて来るかも知れぬぞ」