Classici giapponesi con furigana
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ふっかつさい
復活祭
久生 十蘭
Leggi 復活祭 (ふっかつさい) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.018 caratteri · 23 schermate
鶴代がアメリカへ着いたばかりのとき、爪のない川田の手をふしんな思いでながめていたが、カルタをあつかう指先が鋭敏になるように、爪を剥いでしまうのだと聞き、貸元とか親分とかいわれる小原や石根のようなひとまでそうだったので、つまるところ川田もバクチウチなんだとあとで納得した。
三年後に母が死んで、鶴代とアメリカの縁が切れ、日本へ帰る支度をしていると、カレッジの学費をだしてもいいといってくれたひとがあった。楡や楓の木立のむこうに、古城のような建物の見えるウェルズリー女子大学の校庭に、黒いガウンを着せた自分を置いてみて、心をはずませたこともあったが、どうしてもこの国の生活と折りあえぬものがあるのを感じ、せっかくの申し出を断って日本へ帰ってきた。
川田は開戦直前の十一月、エレベーター付五階建の「三笠」を、食器、家具一式、居抜きのままただの二千五百ドルでさらりと売りわたし、最後の竜田丸でさっさと日本へ帰ってきた。戦争中は暁兵団の運用長をやり、終戦後は占領軍の水先人になって小さなフラットとジープをもらい、ホテルの裏口から従業員の食堂へはいりこんで給食の夕食をするほか、一日中、ランチか入港船の上で暮していた。