Classici giapponesi con furigana
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おもいだすことなど
思い出す事など
Leggi 思い出す事など (おもいだすことなど) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.003 caratteri · 113 schermate
けれども彼の命を危めにかかった災は、余の場合におけるがごとき悪辣な病気ではなかった。彼は人の手に作り上げられた法と云う器械の敵となって、どんと心臓を打ち貫かれようとしたのである。
彼は彼の倶楽部で時事を談じた。やむなくんばただ一揆あるのみと叫んだ。そうして囚われた。八カ月の長い間薄暗い獄舎の日光に浴したのち、彼は蒼空の下に引き出されて、新たに刑壇の上に立った。彼は自己の宣告を受けるため、二十一度の霜に、襯衣一枚の裸姿となって、申渡の終るのを待った。そうして銃殺に処すの一句を突然として鼓膜に受けた。「本当に殺されるのか」とは、自分の耳を信用しかねた彼が、傍に立つ同囚に問うた言葉である。……白い手帛を合図に振った。兵士は覘を定めた銃口を下に伏せた。ドストイェフスキーはかくして法律の捏ね丸めた熱い鉛の丸を呑まずにすんだのである。その代り四年の月日をサイベリヤの野に暮した。
彼の心は生から死に行き、死からまた生に戻って、一時間と経たぬうちに三たび鋭どい曲折を描いた。そうしてその三段落が三段落ともに、妥協を許さぬ強い角度で連結された。その変化だけでも驚くべき経験である。