Classici giapponesi con furigana
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あやしのもの
怪しの者
国枝 史郎
Leggi 怪しの者 (あやしのもの) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.259 caratteri · 25 schermate
「ころりと参って無我夢中さ」
「駆け落ちの相談ができ上がったとは、呆れ返って話にもならない」
「世間知らずの娘だからだよ」
「男の素性に気もつかずか」
「男の心にも気がつかずさ」
「まったくそうだ、だから困るのさ。本当の恋からの所業ならいいのだが、そうでないのだから恐ろしい」
「江戸へうまうま連れ出されてから、どうされるかってこと、知らないんだからねえ」
「生き証拠にされるってこと、ご存知ないからお気の毒さ」
お柳の注いだ猪口を私は口へ持って行きました。
六
「駆け落ちの日にちと刻限とに、間違いがあっちゃア大変だが」
「今日から五日後の子の刻さ。たしかめておいたから大丈夫だよ」
「お前も従いて行くんだったな」
「そうさ途中までお見送りするのさ。お嬢様は可愛らしいよ、何から何まで、妾にだけはお明かしなさるのだから」
「そこがこっちのつけめなのだが……それにしても鶴吉というあの男、お小夜坊ばかりを連れ出して、それで満足するような、優しい玉とは思われないが」
「これまでにお嬢様の手を通して、いろいろの物を引きだしたらしいよ」
「証拠になるような品をだろう」
「ああそうさ、証拠になるような品さ」