Classici giapponesi con furigana
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かいじんのめ
怪人の眼
田中 貢太郎
Leggi 怪人の眼 (かいじんのめ) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2772 caratteri · 6 schermate
見えだすと、雛壇が無うなった、それにしても、今日はみょうなことだらけじゃ」
丹治はこう云って疲れたように息を吐いた。
「そうでございますか、それは容易なことでない、今日はもう何もなさらずに、これからすぐにお帰りになるがよろしゅうございます」
老人は慰めるように云った。丹治ももう猟をする気はなかった。
「ああ、もう帰る、今日はもう何をするのも厭になった」
「それがよろしゅうございます、こんな日に、ぐずぐずしよると、まちがいが起らんものでもありません、早うお帰りなさいませ」
「帰る、帰る、もう厭になった」
女が二杯目の茶を汲んで来た。
「もう一ぱい如何でございます」
「これはありがたい、では、もう一杯もらおうか」
丹治は二杯目の茶碗を貰ってまたそれを飲んだ。彼の心は落ちついてきた。彼は帰ろうと思いだした。
「どうも厄介になった、それでは暇をしよう」
丹治は老人に別れてその家の前を降りて往った。粟や蕎麦の畑が路の左右にあった。畑のしもの方には、人家の屋根がそこに一軒ここに二軒と云うように見えだした。ちょうど路の曲り角を曲ったところで、むこうから来た背のばかに低い体の幅の広い人に往き会った。