Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

Leggi 怪塔王 (かいとうおう) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.635 caratteri · 337 schermate

Aozora Bunko

すると肩が檻の向こうへ出ました。つづいて手が出ました。

「もう大丈夫!」

あとはするりと向こうへぬけ出ました。

「おじさん、抜けられたよ。おじさんも出られないかなあ」

と、一彦は鉄格子につかまって、帆村の方をのぞきこみました。

そのときです、鉄の檻が、がたんとうごきだしたのは。

それはきっと一彦が檻を出るときに、うれしさのあまり檻を足で蹴ったので、その震動が怪塔王の耳にはいり、鉄檻に隙間があってよく下りきらないのを知ったため、檻をむりにも下に下そうとしているのでありましょう。

丸太ん棒がみしみし鳴りだしました。鉄の檻が力一杯丸太ん棒を圧しつけ、これをくだこうとしているのです。

しかし丸太ん棒です。上から圧すのは鉄の檻にしろ、そうかんたんにくだけるはずがありません。めきめきという音がするばかりで、一向隙間は狭くなりません。

「一彦君、その棒の向こうの端をもって、力一杯おこしてみないか。隙間がもうすこし大きくひろがるかもしれないから」

さすが帆村探偵です。たいへんいいところに気がつきました。

一彦は檻の外へ長く出ている丸太ん棒の端をもって、ううんと力一杯もちあげてみました。