Classici giapponesi con furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Leggi 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 72.034 caratteri · 142 schermate
学術部員たちは、一種凄愴な気持でそれを眺めていた。大地の下をはるばる樺太まで行って、すぐまたその足で引返して来ねばならない。なんというひどい苦難が、そこにあるのであろう。そして、そのあげくに殺される。成功しても、失敗しても、どっちみち命のないこの六人の人間。この荒涼たる地獄の風景の中で、このような境遇を目睹することは、さすがに、心寒い思いがするのだった。
篁栄二郎が最後に残った。リュックサックをみな吊り降してしまうと、博士のほうへ近づいて来て、
「戻って来るのは、どうせ秋口になると思いますが、あんまり、寒くならないうちにやって来るつもりです」
そして、一人ずつの前へ行って、丁寧にお辞儀をし、沈着なようすでロープに手を掛けた。まもなく、最後の一人も、見えなくなってしまった。
つぎの朝、モローゾフ教授が、じぶんの天幕にいると、写生画家のペトローウィッチが、蒼い顔をして飛んで来た。
「ニコライッチ、大変なことが起きた」
「何?」
「博士が、天幕にいないんだ」
モローゾフが、厳しい眼つきをした。
「それで?」
ペトローウィッチは、ぐっと唾を呑んで、
「たぶん、博士は、逃げ出してしまったんだ」